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令和5年度活動記録

こんなことしました!里山体験【田んぼと森の学校】⑧

2月17日(土)、18日(日)に里山体験【田んぼと森の学校】の第8回目(全9回)を開催しました。曇り空のもと、里山は深い色調を帯びながらも暖かい朝を迎え、おだやかな時間が流れています。土や植物は春に向けて静かに熱を帯び、花のつぼみは少しずつ膨らみ始めています。自然の持つ生命力、また次の季節へ移り変ろうとする力は、いつも私たちにエネルギーを与えてくれます。

第8回目の今回は、炭焼き、おこしもの作りなど、昔から伝わる伝統文化を体験しました。炭焼きでは、前回雑木林の手入れをした際に間伐した枝や幹を切りそろえ、炭窯に詰めて焼きました。炭窯の火力を徐々に上げていくと、木材が加熱され、水分が抜け、炭化が進みます。炭化には時間がかかるため、次の日まで夜通し焼きます。子どもたちは窯の中の炎がオーロラのように流れ、色がオレンジから時おり紫色に変わるのを目の当たりにしました。おこしもの作りでは、作業の手順をよく聞き、丁寧に作りました。感触や香りを楽しみながらよく練り、やわらかく蒸し上げました。ふんわりとした食感とほんのりとした甘みが程よく、美味しくいただくことができました。

この里山体験では、稲作体験をはじめ自然とのつながりが感じられるプログラムを実施してきました。自然の中での未知なる体験を通じて、自分の能力や興味を発見し、チームワークの大切さや責任感を身につけました。また、環境保護の重要性を学び、持続可能な自然との共存についての理解を深めました。今回の体験でも積極的に行動し、仲間と協力する中で、子どもたちが自己成長をしていく姿が見てとれます。4月に始まり、1年を通じて行ってきた里山体験もいよいよ次回が最終回です。目いっぱい存分に楽しんでもらえればと思います。

 

【1日目】炭窯づめ・くん炭作り、みそ仕込み、おこしもの作り

【2日目】Nスポ(ソフトバレー)、炭窯の観察、ロープワーク、森あそび

 

 おこしもの たくさん蒸して モチモチだ

 森あそび  力を合わせ   完成だ    【詠み人:子どもたち】

 

【森の賢者との遭遇】

夜8時近くになり、里山の森は静かに眠り、暗がりの中、炭窯の炎だけが揺らいでいます。そんな中、窯の火を見守っていた馬嶋所長の目に飛び込んできたのは、悠然とした姿のフクロウ(森の賢者)でした。北の暗闇から突如として姿を現し、羽を大きくひろげ、夜空を漂うような姿で、音もなく悠然と南の森へ消えていきました。大きな羽にわずかな光を捉えて輝くその飛翔は優雅で、夜の舞台に美しい主役が登場したかのようでした。一瞬の出来事でしたが、その空間を超えた存在に心は奪われ、時間が消え、現実と夢が交錯しているような感覚になりました。

「里山体験」や「自然学校(里山木こり体験)」などで里山の雑木林は人の手により間伐され、正常な生態系が保たれています。知恵や賢さの象徴であるフクロウの繁殖もみられ、昨年も巣立ちが確認されています。生態系のトップにフクロウがいる森は多様な生物がバランスよく生息しているといえます。自然の家に宿泊の際は、夜に耳をすましてください。「ホッホ ゴロスケ ホッホ」と森の賢者の鳴き声が聞こえるかもしれません。

こちらもお読みください→「やまもも(立春号)